ホットヨガと常温ヨガの違いは?効果・汗・向き不向きで選ぶ|目黒のStudio KAJi
「ホットヨガと普通のヨガ、どちらがいいですか」——体験レッスンにいらした方から、よくいただく質問です。
汗をたくさんかいた日は、効いた気がします。逆に汗が出ないと、物足りなく感じることもあると思います。ただ、汗の量と運動の量は、実は別のものです。
この記事では、ホットヨガと常温ヨガの違いを、室温の設定・汗の意味・研究で分かっていること・向き不向き・通い方という順に整理します。先にお伝えしておくと、どちらが優れているかという話にはなりません。決まるのは、暑さが自分にとって助けになるか、負担になるかです。
ホットヨガと常温ヨガは、何が違うのか
違うのは室温と湿度の設定です。ポーズの体系も呼吸の使い方も、基本的には同じものを使います。
研究で使われている設定を例に挙げると、加温した条件は40.5℃前後、常温の条件は23℃前後です。実際のスタジオでは流派や方針によって幅がありますが、暑い部屋では湿度も合わせて設定していることが多くあります。
暑い部屋で動くと、その場では次のようなことが起きます。
- 心拍が上がりやすくなる
- 汗が多く出る
- 筋肉の温度が上がり、関節が動かしやすく感じる
いずれもその場で起きている変化です。ここを、体が変わったこととどう区別するかが、この話の難しいところだと思います。
汗の量は、効果の量ではない
汗は、体温を下げるために出るものです。暑い部屋では体温調節の必要が大きくなるので、同じ動きをしても汗の量は増えます。
よくある誤解が、汗をかくと脂肪が減るというものです。汗は水分と電解質で、脂肪が溶けて出てくるわけではありません。レッスン直後に体重が落ちていても、その大半は水分で、飲めば戻ります。
つまり「たくさん汗をかいた=たくさん運動した」ではありません。部屋の温度を上げれば、運動量が同じでも汗は増えるからです。
ただし、汗をかくこと自体が気持ちよくて、それがあるから通い続けられるという方もいます。続く理由になっているなら、それは立派な効果です。ここは否定するところではないと思っています。
研究で分かっていること——加温した場合としなかった場合を比べた試験
いちばん知りたいのは、同じヨガを暑い部屋でやるかどうかで結果が変わるのか、というところだと思います。これを直接比べた試験があります。
40歳から60歳の、ふだん座って過ごすことが多い成人52名を、40.5℃で行う群、23℃で行う群、運動をしない対照群の3つに無作為に分け、90分のクラスを週3回・12週間続けた試験があります。血管の内側の働き(血流に応じて血管が広がる反応)を測ったところ、常温の群では有意に改善し、暑い部屋の群も改善する傾向を示しましたが統計的にはあと一歩でした。そして、両群の変化量には差が見られませんでした。著者らは、血管の適応を起こすうえで加温された環境が必要であることを否定する結果だと述べています。
同じ研究グループが54名を対象に行った、血管の硬さ(脈波伝播速度)を指標にした12週間の試験では、暑い部屋でも常温でも、有意な変化は見られませんでした。
一方で、最初の試験では体脂肪率について、介入後に暑い部屋の群が常温の群と対照群より有意に低かったとも報告されています。暑い環境で動くこと自体に、エネルギー消費の面で違いがある可能性は残ります。
正直に書くと、いま分かっているのは「加温しなくても同じ改善が得られた指標がある」「加温したほうが差が出た指標もある」という程度のことです。「ホットのほうが効果が高い」も「ホットには意味がない」も、研究の結論ではありません。試験の数は多くなく、対象も中高年の運動習慣がない方が中心なので、そのまま誰にでも当てはめられるものでもありません。
ホットヨガが向いている人、常温が向いている人
研究で差がつかないなら、選ぶ基準は自分の体と生活のほうに移ります。
暑い環境が合いやすいのは、次のような方です。
- 体が硬いと感じていて、動かしやすさを外から助けてほしい
- 汗をかくこと自体が気分転換になる
- 暑さが苦にならない
常温が合いやすいのは、次のような方です。
- のぼせやすい、立ちくらみを起こしたことがある
- 持病がある、服薬している
- 体調に波がある時期にいる
- レッスンで覚えた動きを、自宅でもそのまま繰り返したい
- レッスンのあとに予定が入っている
ひとつ補足します。暑い部屋で動かしやすく感じるのは、筋肉の温度が上がるためです。その可動域は体が冷めれば戻ります。常温では、その日の自分の体の状態がそのまま出ます。動かしにくい日は動かしにくいままなので、変化を確かめる目安にはしやすいという面があります。
高温環境で気をつけること
暑い環境で運動するときは、水分と休憩の取り方が要ります。
- 喉が渇く前に、こまめに水分をとる
- めまい、吐き気、頭痛、汗が止まるといった変化は警告のサインとして扱う
- 気分が悪くなったら我慢せずに中止する
暑さに体が慣れるには数日から2週間ほどかかるとされています。久しぶりの参加や、初めての参加のときほど慎重にしてください。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、事前に主治医にご相談ください。
通い方の違い——シャワー・着替え・所要時間
見落とされがちですが、続くかどうかにはここがいちばん効きます。
暑い部屋で行う場合は、汗をかく前提の準備が要ります。着替えとタオル、多めの水、そしてシャワーを使う時間。レッスンが60分でも、前後を含めると90分以上を見ておくことになります。
常温の場合は、汗の量が日常の運動と同じくらいなので、着替えだけで済むことが多くなります。
どちらがよいという話ではなく、週に何回、どの時間帯に通うつもりかによって、この差の重みが変わります。仕事帰りに寄るつもりなら、前後の30分は小さくない差です。
妊娠中・産後・体調に波がある時期は
妊娠中について、ここは主治医にご相談くださいで終わらせずに、分かっていることを書いておきます。
問題になるのは暑さそのものではなく、体の内側の温度です。母体の核心温が39.0℃以上になる状態が催奇形性の閾値として扱われていて、妊娠初期の高体温と神経管閉鎖障害の関連を調べたメタ分析(15研究・1,719例)では、オッズ比1.92(95%信頼区間1.61〜2.29)と報告されています。
一方で、妊娠中の運動を必要以上に制限しないための研究もあります。妊婦の核心温の反応を集めた系統的レビュー(12研究・347名)では、39.0℃を超えた方は一人もいませんでした。このレビューが安全に行えるとした範囲は、25℃・湿度45%の環境で最大心拍の80〜90%の運動を35分まで、水中運動を45分まで、40℃の入浴や70℃・湿度15%のサウナに座って20分まで、というものです。
大事なのは、この範囲に「加温した部屋で運動する」という条件が含まれていないことです。運動は体の中で熱を作り、高い湿度は汗が蒸発する働き——つまり体を冷やす主な経路——を妨げます。ホットヨガはその両方が重なります。確かめられていない組み合わせなので、安全だと分かっているとは言えません。
ですから妊娠中と産後の運動は、可否も内容も主治医の判断が前提です。高温の環境で動くかどうかも、必ず事前にご確認ください。
体調に波がある時期についても同じことが言えます。その時期に必要なのは負荷を増やすことではなく、続けられる形を見つけることなので、暑さという負荷を足さない選択肢があることを知っておくと選びやすくなると思います。
産後の運動をいつから再開できるかは産後の運動はいつから再開できる?に、ヨガとピラティスのどちらを選ぶかはヨガとピラティスの違いにまとめています。
目黒で常温のヨガスタジオを探しているなら
Studio KAJi(目黒駅西口より徒歩4分)は、目黒区目黒にある女性専用のヨガ・ピラティススタジオです。
- 全クラスを常温で行っています。室温を上げる設備は使っていません
- 汗の量が日常の運動と同程度にとどまるため、シャワー設備は設けていません。更衣室・ロッカー・パウダースペースで整えてお帰りいただけます
- ヨガマット・ヨガブロック・ピラティスボールは無料で貸し出しています
- レディースクリニックなみなみと同じフロアにあり、体のことを相談しやすい環境です
クラスの種類はクラス紹介、開催する曜日と時間は月ごとに変わりますのでレッスンスケジュールでご確認ください。体幹や姿勢から整えたい方にはピラティスのクラスもあります。
まずは体験レッスンで、常温で動いたあとの体の感じを確かめてみてください。
まとめ
ホットヨガと常温ヨガの違いは、室温と湿度の設定です。ポーズも呼吸も同じ体系を使います。
同じプログラムを加温した部屋と常温で比べた試験では、血管の働きの改善に両者の差は見られませんでした。体脂肪率のように差が出た指標もあります。どちらかが明確に優れているという結論は、まだ出ていません。
だとすれば、選ぶ基準は自分のほうにあります。暑さが助けになるならホット、負担になるなら常温。そして週に何回通えるか、レッスンの前後にどれだけ時間を取れるか。
汗の量ではなく、半年後も続いているかで選んでいただくのが、いちばん実際に近いと思います。
参考文献
- Hunter SD, et al. Effects of yoga interventions practised in heated and thermoneutral conditions on endothelium-dependent vasodilatation: The Bikram yoga heart study. Experimental Physiology 2018;103(3):391-396
- Hunter SD, et al. Effects of heated and thermoneutral yoga interventions on arterial stiffness in middle-aged adults. Complementary Therapies in Medicine 2018;40:113-115
- 環境省 熱中症環境保健マニュアル
- Moretti ME, et al. Maternal hyperthermia and the risk for neural tube defects in offspring: systematic review and meta-analysis. Epidemiology 2005;16(2):216-219
- Ravanelli N, et al. Heat stress and fetal risk. Environmental limits for exercise and passive heat stress during pregnancy: a systematic review with best evidence synthesis. British Journal of Sports Medicine 2019;53(13):799-805

